明日、Alphabetとテスラが決算を出す。テスラの利益は前年比25%増が見込まれている。立派な数字だ。ところが株価は、ピークからすでに22%下げている。この二つの数字の距離に、いまの相場の気分が全部入っている。
昨日、私はこの欄で今週の相場の地図を広げた。今日はその地図の一点、決算前夜を拡大する。
まず先週を振り返る。米株は下げた。ナスダックは週間で2.9%、S&P500は1.55%下げている。決算シーズンの入り口で、だ。そして週明けの月曜、相場はいったん顔を上げた。ナスダックは取引時間中に0.7%ほど戻す場面があった。明日の大型決算を前に、売られすぎの反動と、期待の買いが混じった形だ。
主役は明日(水曜)のAlphabetとテスラである。数字の見込みは悪くない。市場予想(LSEG)では、テスラは前年同期比25%の増益、Alphabetも2割超の増収増益とされる。ではなぜ、株価は素直でないのか。
テスラから見る。増益25%の予想の一方で、株価はピークから22%下げた。市場が見ているのは、増益の「率」ではなく、利幅のほうだ。台数を伸ばしても、一台あたりの利益が薄くなっていれば、成長の質は変わる。25%という数字は本当でも、その中身を市場は先に読みにいっている。
Alphabetは逆向きの心配だ。売上も利益も伸びる。ただ、AIのために積み上げた設備が、これから減価償却として利益を削っていく。今日の投資が、明日の費用になる——その転換点をどう説明するかに、市場の目が集まる。
要するに、明日の決算は「良い数字が出るか」ではなく、「良い数字の理由が続くか」を問う場になる。私はいつもの姿勢でいる。発表の見出しではなく、注記のほうを読む。増益率は見出しに、利幅は注記に書いてある。