No. 5 ・ 2026年7月21日(火)
火曜。今日は築山が「体」の話をした。AIの脳ばかり語られてきたが、動き始めたのは手のほうだ。城戸は四十年前と同じホルムズの細い首を広げ、氷室は決算前夜の数字を読む。派手な脳の裏で、体と地理と数字が静かに動いている。
編集長・灰田宗久ロボットの「脳」は語られてきた。動いたのは「体」のほうだ
今月、2体のヒューマノイドロボットが、2通りのやり方で手術をやり遂げた。ある手術ではうち1体が執刀し、人間の外科医が助手に回った。別の手術では2体が並んで組んだ。舞台はカリフォルニア大学サンディエゴ校の前臨床試験、掲載先は科学誌ネイチャー。ロボットの話でいつも主役だった「頭脳」ではなく、今回は「手」が主役です。
二面
ホルムズという細い首 ― なぜ火種は、同じ海に戻ってくるのか
世界の石油の五本に一本が、いま一本の狭い海峡を通っています。ホルムズ海峡。この春以降その通航が滞り、今また緊張が高まっている。派手な戦況の話はしません。地図を広げて、なぜ「またここなのか」を確かめます。
韓国、10年で約8800億ドルの半導体・AI・ロボット計画 ― 「フィジカルAI」に賭ける
何が韓国政府が10年で約8800億ドル(1350兆ウォン)を半導体・AIデータセンター・ロボットに投じる計画を発表した。サムスンとSKハイニックスは新メモリ工場4棟に計約5180億ドルを充てる。
なぜAI投資の主戦場が、モデル開発から製造・インフラ・ロボットという「物理」側へ広がっていることを、一国の予算規模で示すため。
この先電力と水の手当て。ヒューマノイドの世界シェアを1%から20%へ、という2028年目標の現実味。
出典: [1]
製薬大手ブリストル、NvidiaのAIスパコンを自前導入 ― 創薬を「計算」で速める
何がブリストル・マイヤーズ スクイブが、Nvidiaの次世代「Vera Rubin」を核にしたAIスパコン(DGX SuperPOD)を導入すると報じられた。
なぜAIの計算基盤を、クラウド利用でなく事業会社が自前で持つ動きが、製薬にまで広がってきたため。
この先自前の計算が、創薬の速度と成功率を実際に変えるか。
出典: [1]
米株、先週は決算週の入り口で下落 ― 月曜はいったん反発
何が米株は先週、ナスダックが週間で2.9%、S&P500が1.55%下げた。決算シーズンの入り口での下落だ。週明け月曜はナスダックが0.7%ほど戻した。
なぜ好決算が見込まれる週の下落は、市場の関心が決算から金利・地政学リスクへ移っていることを示すため。
この先水曜のAlphabet・テスラ決算への反応。
出典: [1]
ECB、23日(木)に金利決定 ― 6月の「2023年以来初の利上げ」の次
何が欧州中央銀行が23日(木)に政策金利を決める。6月に2023年以来初の利上げ(預金金利2.25%)に踏み切っており、今回の決定と声明が焦点になる。
なぜ米欧で同時に進む金融引き締めの、欧州側の現在地を確かめる会合であるため。
この先金利の方向と、声明の言い回しへのユーロの反応。
出典: [1]
NASAの衛星、黒海がターコイズ色に染まる瞬間を捉える
何がNASAのPACE衛星が6月22日、黒海が鮮やかなターコイズ色に変わる様子を観測した。円石藻(コッコリソフォア)という植物プランクトンの大増殖が原因で、殻の炭酸カルシウムが光を散らし、水を乳青色に見せる。
なぜ宇宙から海の色を精密に測る目が、海洋の炭素循環の観測を実用段階に入れつつあるため。
この先季節ごとの増殖と、吸収される炭素量の定量化。
出典: [1]
6日で自分から分解する「生きたプラスチック」 ― 微生物を仕込む
何が深圳の研究チームが、枯草菌2株を仕込んだプラスチック膜を開発した。合図を送ると微生物が働き、6日で完全に分解してマイクロプラスチックを残さない。対象は3D印刷や手術用の糸に使われるPCLという樹脂。
なぜ分解を「使い終わってから」ではなく「材料の中に最初から仕込む」発想の転換であるため。
この先強度・保存性の確保と、対象樹脂の広がり。
出典: [1]
ハーバード、シリコンチップでDNAを「書く」 ― 一度に64本、水と酵素で
何がハーバード中心のチームが、シリコンチップ上で64本のDNA配列を同時に合成する手法を開発した。溶剤を多用する従来の化学合成を、水を使う酵素反応に置き換え、チップに流す電流で反応を制御する(Nature Electronics掲載)。
なぜDNA合成が「専用の工場」から「持ち運べるチップ」へ小型化する道を開くため。
この先合成できる長さの拡張と、DNAデータ保存への応用。
出典: [1]
Intel、23日(木)に決算 ― 半導体セクターの向きを占う一枚
何がIntelが23日(木)に四半期決算を出す。半導体ETF(SOXX)は年初来で7割超上げた後、上値が重くなっている。
なぜ好調が続いた半導体セクターに、まだ空気が残っているか。決算が判断材料になるため。
この先受注・設備投資の見通しと、株価の反応。
出典: [1]
AIが脳のCTを読み、脳卒中の初動を早める ― 農村インドの実装で
何がAIが脳のCT画像を自動で読み、脳卒中の疑いを早く警告する試みが各地で進む。インド農村での研究では、AIによる自動読影の導入後、治療開始までの時間の中央値が80分から58.5分に短縮した。
なぜ専門医の少ない土地では、診断の速さそのものが救命を左右するため。
この先誤検知の管理と、対象疾患の広がり。
出典: [1]
明日の紙面から水曜は城戸の「世界の縮図」— 地政学の一枚