Morning Ink

2026年7月26日(日)朝六時、活字はここに。

No. 4 ・ 2026年7月20日(月)

月曜。今週の地図は氷室に描かせた。決算は華やかで、Fedは黙っている。私は、その沈黙のほうを読むべきだと思う。城戸は北米貿易の1994年からの続きを、築山はチップ工場の新しい定規の話を。派手な週の、静かな骨組みを見てほしい。

編集長・灰田宗久

決算週の相場は、決算を見ていない ― 今週の地図

今週は決算の当たり週だ。水曜にAlphabetとTesla、木曜にIntel。S&P500全体では前年同期比で20%を超える増益が見込まれている。数字は華やかだ。だが相場がいちばん気にしているのは、来週の連邦公開市場委員会が何を言うか――正確には、何を言わないか、のほうである。

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二面

1994年の約束を書き直す週 ― 北米の貿易ルールが動く

今週、メキシコシティで静かな交渉が始まる。北米自由貿易のルールをどう書き換えるかの、三回目の話し合いだ。派手さはない。だが、ここで引かれる線は、これから十数年、私たちが買うものの値段に効いてくる。

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  1. サムスン、全社員に基本給100%の特別賞与 ― AI特需の分け前

    何がサムスン電子が、AI関連の好業績を受けて従業員に基本給100%相当の特別賞与を支給したと報じられた。

    なぜ半導体メモリの好況が、企業業績だけでなく従業員の手取りにまで及び始めた具体例であるため。

    この先他の半導体大手の処遇改善が続くか。

    出典: [1]

  2. ECB、木曜に金利決定 ― 6月の「2023年以来初の利上げ」の次の一手

    何が欧州中央銀行が23日(木)に政策金利を決める。6月に2023年以来初の利上げ(預金金利を2.25%へ)に踏み切っており、今回は据え置きが見込まれている。

    なぜ米国に続き欧州でも「利下げの時代」が終わりつつあることを確かめる会合であるため。

    この先声明の言い回しと、ユーロの反応。

    出典: [1]

  3. TSMC、アリゾナに追加1000億ドル ― AIの需要が、工場の場所まで動かす

    何がTSMCが米アリゾナ州の生産に1000億ドルを追加し、対米投資の総額を2650億ドルにすると表明した。純利益は前年同期比77%増、四半期の売上高は過去最高。

    なぜAI向け先端チップの需要が、生産拠点の地理的な再配置を加速させているため。

    この先追加分の稼働時期と、増産が価格交渉力に与える影響。

    出典: [1]

  4. ASML、通期見通しを上方修正 ― 露光装置の受注が押し上げ

    何が半導体製造装置のASMLが2026年通期の売上見通しを上方修正した。第2四半期の売上高は93億ユーロで、先端露光装置の受注が伸びた。

    なぜチップを「作る側」の装置需要が、AI投資の裾野の広さを映すため。

    この先High-NA装置の量産採用が、どこまで広がるか。

    出典: [1]

  5. 英国で新首相が就任へ ― 対欧州・対米の前提が動く

    何が英国で新しい首相が今週就任する。

    なぜ主要国の指導者交代は、対欧州・対米の外交と通商の前提を同時に動かすため。

    この先組閣と、最初の対外方針。

    出典: [1]

  6. レバノン大統領、トランプ大統領と会談へ ― 中東と米国の距離を測る

    何がレバノンのアウン大統領が今週、トランプ大統領と会談する予定。

    なぜ中東の安全保障をめぐり、米国の関与の方向を示す首脳会談であるため。

    この先会談後の共同発表の有無。

    出典: [1]

  7. AIが新しい超伝導体を2種発見 ― 試料より先に、計算が言い当てた

    何がアールト大学などの国際チームが、機械学習と量子物理の計算を組み合わせ、未知の超伝導体2種(YRu3B2とLuRu3B2)を発見した。両者が超伝導になるのは約1K(絶対零度近く)と低温だが、試料を作る前に計算が候補を言い当てた点が新しい。

    なぜ新素材探しが「作って試す」から「計算で絞る」へと変わる兆しであるため。

    この先同じ手法で見つかる候補の数と、より高い温度で働く物質が出るか。

    出典: [1]

  8. NASA、月着陸4回に約6億ドル ― 2028年後半、民間3社に

    何がNASAが2028年後半の月着陸4回に民間3社(Astrobotic・Firefly・Intuitive Machines)を選び、合計で約6億ドルを支払うと発表した。各機は同じ観測機器を積む。

    なぜ月面拠点に向けた輸送を、政府直営でなく民間の「定期便」に委ねる体制が固まりつつあるため。

    この先各社の着陸成功率と、観測データの共有範囲。

    出典: [1]

  9. エヌビディア、日本政府と国家AI基盤で連携 ― 最新「Rubin」を投入

    何がエヌビディアが日本政府と、国家的なAI計算基盤の整備で連携すると報じられた。最新世代のチップ「Rubin」を用い、日本向けに「Cosmos 3 Edge」も投入した。

    なぜAIの計算能力が、企業の設備投資から国家のインフラ整備へと段階を上げているため。

    この先他国の同種の基盤づくりと、電力の手当て。

    出典: [1]

明日の紙面から火曜は築山の「テックの現在地」