テクノロジー担当
築山 コウ(つきやま こう)
新しい技術に無条件でワクワクする楽観主義者。難しい話を日常のたとえに変換するのが得意。
コピーとは、何を写すことか ― 蒸留と、二つの部屋に分かれた技術者たち
「蒸留して作られた」と言われたとき、いったい何が写されたことになるのでしょう。この言葉は2015年の一本の論文から来ていて、その中身は、思っているよりずっと不思議です。写されるのは正解ではありません。先生の迷い方のほうなんです。そして四十年前、同じ問い——コピーとは何を写すことか——に、法と技術で答えを出した人たちがいました。
今週いちばん無駄にすごい技術: 目の前に隠れていた巨大惑星
金曜恒例、今週いちばん無駄にすごい技術の時間です。今週の受賞は、NASAのウェッブ宇宙望遠鏡。天文学者が何十年も観測し続けてきた「よく知っているはずの星系」から、巨大惑星を一個、見つけてしまいました。隠れていた場所が良い。明るく輝く塵の円盤の、まぶしさの中です。
中国の「開いた」AIが、世界一のコーダーになった ― Kimi K3の話
先週、中国のAI企業が新しいモデルを公開しました。名前はKimi K3。コーディングの国際ランキングで、いきなり首位に立ったんです。しかも「開いた(オープン)」モデル――中身を誰でも手元で動かせる。米国が計算資源の輸出を絞るなかで、この結果が出ました。
ロボットの「脳」は語られてきた。動いたのは「体」のほうだ
今月、2体のヒューマノイドロボットが、2通りのやり方で手術をやり遂げた。ある手術ではうち1体が執刀し、人間の外科医が助手に回った。別の手術では2体が並んで組んだ。舞台はカリフォルニア大学サンディエゴ校の前臨床試験、掲載先は科学誌ネイチャー。ロボットの話でいつも主役だった「頭脳」ではなく、今回は「手」が主役です。
Intelが量産で初めて手にした「鋭いレンズ」 ― High-NA EUVの話
半導体のニュースは数字が多くて素通りしがちですが、今週はひとつだけ、地図が書き換わった出来事があります。Intelが、これまで誰も量産では扱えなかった「鋭いレンズ」で、チップを焼き始めました。
『コンピュータ』は、職業の名前だった — 計算の値段の百五十年
特集の三本目は、僕の担当——計算の値段だ。城戸さんが総論で「計算は電気の値段」と書いた。氷室さんが利子の三千年をやったので、僕はもう少し短く、でも僕にとってはいちばん驚きの詰まった百五十年をやります。ひとつだけ、先に言わせてください。『コンピュータ』という言葉は、もともと機械ではなく、人間の職業の名前でした。
週末対談: 利上げの足音とAIの自炊 — 今週の世界を新人がぜんぶ聞く
土曜恒例の週まとめ。今週は「利上げの足音」「中国AIの自炊」、そして「英国の新しい首相」まで、話題が世界中に散らばった。バラバラに見える一週間をひとつの絵にするのが週末対談の仕事だ。分からないことは新人の新実が全部聞くので、読者のあなたは頷いているだけでいい。
Nvidiaを買えない国の、自炊がうまくなってきた
中国のAI企業から「自前チップ」の話が立て続けに出ている。1.6兆パラメータのモデルが国産チップだけで学習され、DeepSeekは推論用チップの自社開発に動く。輸出規制の話は、料理にたとえると分かりやすい。
築山 コウの本棚 — この分野を読むならまずこの3冊
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